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[職場紹介] 光電子分光分析研究室

(2012年3月 1日執筆)
ホームページURL: http://labs.eng.hokudai.ac.jp/labo/HUXPSLab/
suzuki_koudenshi_01.jpg  私が現在、工学系技術センターから派遣されているのは北海道大学の共同利用施設となっている光電子分光分析研究室です。この研究室では主にX線を使用する分析装置を中心に、学内の研究で必要となる分析のための各種分析機器や加工機械が稼働しています。私の仕事はこの研究室で稼働している装置の保守管理や学生の分析指導などになります。研究室名にもなっている光電子分光分析装置(X-ray Photoelectron Spectroscopy、以下XPS)がこの研究室での主役です。
 当研究室で稼働しているXPSは日本電子株式会社のJPS-9200という機種で、いわゆる表面分析装置の一つです。この装置により試料のごく表面近傍(数nm)に存在する元素を定性的・定量的に調べることが出来ます。特にこのXPSが他の表面分析装置より優れている点は化学状態分析が可能ということで、実際研究で利用されているユーザーがその目的の為にXPSを選択しています。
 一口に分析と言っても、そのスペクトルを得るまでには多くの、また多様な下準備が必要であり、機器の保守管理も欠かせません。機器の使用最中も、慣れていない学生などはトラブルも多く、しっかりと講習をしなければなりません。またスペクトルを得た後でも、その分析がどれだけ整合性のあるものか見定めたり、研究に則した測定に出来るよう、応用技術が必要になったりします。その為の技術・知識の習得と、日ごろからの細やかな整備への心がけが求められます。そういう職場です。

<質問1 勤続年数を教えてください>
 1年目です。
<質問2 普段どのような仕事をしているか教えてください>
 装置の講習、研究室の事務雑務、装置と研究室の保守管理が主な仕事です。特に測定装置において測定室の真空度は分析結果に大きく影響を与えますので、真空度のチェックには欠かせません。大学の研究室の多くは未整理で雑然と散らかっているイメージがありますが、綺麗な研究室から精確な分析結果が生まれる、をモットーに部屋の掃除は小まめにしています。
<質問3 仕事でやりがいを感じる時はどんな時ですか?>
 学生の指導をしていて、研究に必要なデータを望み通り出せた時などに感謝された時や、難しい条件での分析を、ディスカッションを重ねながら突破口を見出せた時などにやりがいを感じます。また論文などに自分の名前を共同研究者として載せてもらえるのも嬉しいです。
<質問4 逆に仕事をしていて苦しかったことはありますか?>
 装置のトラブルや難しい分析条件などで、現在の自分の技術や知識ではどうしようもない時は歯がゆく感じます。しかしそれがいい勉強の機会にもなるので総合的に苦しい場面というのは今のところありません。
<質問5 仕事に行き詰った際の気分転換の方法を教えてください>
 気分を変えても仕方がないので誰かに相談して解決します。
<質問6 この職場に決めたきっかけは?>
 大学に在籍していた頃は技術職員との関わりがなかったのですが、就活中に友人に勧められて大学の技術職員という仕事を知りました。アカデミックなものに携われる仕事ということが僕にとって職場を選ぶ決め手になりました。
<質問7 北大に勤務してからの一番の思い出はなんですか?>
 まだ勤務してから浅い月日しか経っていませんので思い出というものとは違いますが、学生や先生方から感謝されることは日々印象深く残っています。
<質問8 あなたが感じる北大の印象は?>
 札幌のど真ん中をこんな広々使っていいのかってくらい大きな大学。
<質問9 今後の夢や目標はありますか?>
 技術職員として、扱う分析機器のみならず広汎な分析に関する知識や技術を習得していきたいです。また分析を用いる研究分野自体にも詳しくなることが、技術を運用することにおいて重要なことなので勉強していきたいですし、いつか自分自身でも研究対象を見つけて研究が出来るようになりたいと思っています。そういうことが、ただの分析屋で終わるのではなく、研究内容を包括的に研究者と話し合い、研究に対する適切な分析の技術と知識を与えられる大学の技術職員の本質的なあり方にも繋がるのだと思います。